教習所は、車だけじゃない。
- shimauchi5
- 2025年7月24日
- 読了時間: 4分
共創するキッチン

料理の専門学校ではないので、座学や実習はありません。
最初から実践です。利用する方も、居酒屋さんだったり、個人経営のパティシエさんだったり、プロの方が対象となります。
だったら、自分のお店で十分だと思われるかもしれません。自分のお店で作り、自分のお店内で飲食をするのならば、それでもいいのですが、いざ流通となると量的にも品質や必要な表示などが発生します。
作る過程のお手伝いはできませんが、その後の流通させるための知識、手順をお手伝い致します。
自分で作った商品が流通を経て、店頭に並んだ時の期待感や心配。そして不安感も入り混じったドキドキ感は、その当事者しか分からない仮免許運転のような感じではないでしょうか。
自走できるまでの共創を行う。そんなキッチンなのです。
ある居酒屋の挑戦

その居酒屋さんは、料理がおいしく、地元でも人気の居酒屋さんです。
特におかみさんが作る、和食のお惣菜は売り切れが続出するくらい味加減が絶妙で、小さい子どもからお年寄りまで幅広くお楽しみ頂いているようです。
スーパーで購入するお惣菜の多くが、味が均一なのは仕方ないにしても、添加物が入っていたり、お魚の煮つけでも味濃さが先に来て、まるで調味料を食べているような残念感が拭えません。
そこでこの居酒屋さんは、家庭では手間が掛かり過ぎる料理から、お惣菜として流通販売してみることに挑戦することとなりました。
通常だと、自分のお店の看板メニューや人気レシピを商品化することが多いのですが、共働き世代が抱える問題のひとつが、手間が掛かる料理は、スーパーの御総菜コーナーで買うけれど、そこにはしょうがないから買う、というくすぶった心理があると考えられたようでした。
そんな時は、ワンストップショッピングのスーパー。しかも24時間営業だと、とても助かります。
そんな世情を、本音がポロリと出る居酒屋で、お客さんとの会話の中でしっかりとリサーチされていたと思います。
モノづくりにおいては、コンセプト=何の為につくるのか?を、はっきりとしなくてはいけません。
そして、作った商品が、誰の、どんな課題を解決するのか?も、明確にしなくてはなりません。
そこを第六感頼りや二匹目のドジョウを狙ったような根拠しかないと、このモノ余りの現代では、それを受け入れる余地が残っていません。
そして、美味しいからというだけの理由でも、販売される場所によっては、手が出ないこともあります。
想像してみてください。
カルビーポテトチップスの横に、1袋800円もするポテトチップスが販売されていたら、いくら健康志向を謳っていても手に取るでしょうか。
ですので、作る前には市場調査、意識調査、コンセプト、そして競合商品を可能な限り調べてから取り掛かることが大切かと思います。
商品化の意義

流通し始めるまでは、とても大変で時間を要します。
作って、品質、表示関係、ネーミングやパッケージデザイン、卸先との価格交渉、発送要件、商品によっては、常温なのか、冷蔵なのか、冷凍なのか。
自分の手元を離れて、商品が流れるまでには、クリアすべき必須事項がたくさんあります。
それらをサポートできるキッチンがかねすえキッチンなのです。
ここからは、商品化した後のことをお話します。
商談を終えて、いざ納品が決まりました。
先の居酒屋さんは、サトイモと鶏肉の煮物、コハダの梅紫蘇焼、そして味噌風味の和風ドーナツの3品目を製造販売することになりました。
サトイモとコハダの2品目は冷凍として、ドーナツは常温として販売することとなりました。
このメニューは、一般的な家庭ではとても作れるものではありません。
材料の下ごしらえ、仕込みに大半の時間をかけます。
焼いたり、煮込んだりの前の、この手間がネックでどうしても家庭では難しいレシピになります。
冷凍の場合は、卸先に保冷ケースが無くてはなりません。
しかし、保冷ケースがないお店もあります。
もっと言うと、空港や駅はほとんどお土産が主なので、冷凍の商品はほぼありません。
このアドバイスをかねすえキッチンはメニュー開発時点で行いました。
大谷選手ならぬ、食の二刀流ということです。
冷凍と常温。
この二つの選択肢があるから、卸先の裾野が広がります。
特に、空港ではご当地のお土産が並んでいます。
ポテンシャルの高い九州の素材を使ったおやつ。
佐賀の出張のお土産に買って帰るビジネスマンが想像できますね。
それに、日本の元祖腸活商品である味噌を小さい子どもでも食べやすいように工夫したドーナツは、ニュース性もあり、新聞の取材対象になる可能性も高いと思います。
その商品には、あなたのお名前がしっかりと印刷されます。
地域の食でしかなかったものが、流通を経て、広く知られることの意義は、後世に残す私たちの仕事だと思います。






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